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Journal de la Rive Droite 右岸通信

物理的には私は右岸にいる 精神的には左岸にいる これは右岸と左岸に解離している私の通信記録 解離性障害とともに

自閉症スペクトラム/ASDのある解離とHSPの解離についての考察

前回の軽度知的障害/知的境界域のある解離に続きとして、今回は自閉症スペクトラムアスペルガー症候群、以下ASDとする)のある解離とHSPの解離について書きたい。

まず、ASDについてだが、実際にこの診断を受けている人というのは少ないだろう。
ただ、ASDの特徴の多くの項目が当てはまらなくても、それらのどれかの項目だけでも強く当てはまるなら、解離に影響している場合もある。
その場合は解離は2次障害的なものとなるため、治療のヒントにもなりうる。
そもそも、人の特性はグラデーションであり、診断で測れないグレーゾーンの人も多く、グレーゾーンだからこそ独特の「生きづらさ」につながって解離に至っている場合も多いと私は思っている。
 
解離になる可能性が高いASDは男性ではなく女性だ。
ASDの男性が複雑性PTSDを起こすような環境におかれた場合は解離ではなく、物事の独特な認知の仕方により、統合失調症のような症状が強く出る場合が多いと私には予想される。(男性のASDと統合失調症は重なる特徴も多く、特に統合失調症の病的幾何学主義などはそのままASDの特徴を言い換えたもののようにも思われる)
世の中に広く認知されているASDは男性の場合の特徴であり、女性の場合、全く違う特徴を示す。女性のASDの特徴は

女性のアスペルガー症候群の意外な10の特徴―慢性疲労や感覚過敏,解離,男性的な考え方など | いつも空が見えるから

に詳しく載っている。
解離に特に関係している特徴は
★感覚過敏
★トラウマを抱えやすい記憶力の特性
★マイワールドを持っている
である。
2番目と3番目は感覚過敏からくるものなので、やはり感覚過敏であることがASDと解離を近づける最も重要な特徴といえる。
幼少期から「私は普通とは少し違う物事の認知の仕方であると感じる」のも感覚過敏ゆえなのだ。
また、感覚過敏のために、その「違うこと」を察知してしまうので、普段の日常生活だけでも、それが画一であることを強く求められる環境であればあるほど、焦りと緊張で綱渡りのようなストレスを常に感じている。
そういったストレスが紹介したページの2番目の特徴にあった原因不明の体調不良、慢性疲労症候群睡眠障害にも繋がる。
綱渡り感覚は理解者や共感者がいないので、心的にかなり孤独な環境となる。
そんな中に更なる強いストレスがかかれば、解離はたやすいことだろう。
逃げ込める、安心できる場がマイワールドにしかなくなってしまうからである。
しかしながら、ASDがそのような状態を引き起こす根本原因はやはり「言葉の背景を読み取れない」や「多動」などの発達障害としての強い特徴があるからだ。
その特徴がないと、やはりASDとは診断されにくく、日常においても「障害」とはなりにくい。絶対的な数は確実に多くないのだ。
ASDの解離は家庭環境が安定していて、虐待的な案件がなく愛着が築かれていても、学校生活や社会生活においてのことだけで起こりえる場合もあることが恐らくもっとも特徴的だろうと思う。
愛着が関係なくとも、本人の特性による緊張感、生きづらさと孤独感にさらされた生活だけでもそれは解離を引き起こす程の連続的なトラウマとなっているのである。
愛着障害がある場合はよりいっそうの生きづらさがあるだろう。
 
では、そういった発達障害の特徴が確かにある少ない数以外の人はどうなるか。
この人たちはだいたい、上記の項目では感覚過敏だけが当てはまる人のほうが多いと思われる。
そして、冷静に考えてみれば、そんな感覚過敏を持ち合わせている人は女性だけではなく、男性にもいるんじゃないかということにも気付くだろう。
この、言語や行動に自閉傾向を見出せない、感覚過敏だけが際立つ人々には違う名前がついている。
HSPHighly Sensitive Person)。生まれながらに感受性が高い人のことを指す。
HSPについては様々なサイトがあるが
がわかりやすい。
HSP日常的ストレスの他に強いストレスがかかると解離性障害の他に、複雑性PTSD(それの誤診としての社会不安障害パニック障害)となる可能性が高い。
また、HSP双極性障害2型(頑張る時期とそれができない自分にくよくよしてしまう時期を躁と鬱のようにみられる)と診断されることも多いと思われる。
 
知的障害のある解離、ASDのある解離、HSPの解離のそれぞれを見分けることのできるカウンセラーや医師は現況でとても少ないと予想される。
ただ、それは治療者の不勉強、無理解が問題というよりは、それぞれに効果的となる治療法は異なってくるであろうことのほうが遥かに問題となる。
自分のことなのだから、自分がどれなのか(或いは、どれでもないのか)を調べる、調べた上で適切な情報を持って、治療者に聞いてみるという能動性を患者が持っても悪いことはひとつとしてない。
外科的な病気なら、名医や、どこの病院が有名かなどを調べたり、誰かに聞く人は多いだろう。それと同じである。
ちなみに個人的には
知的障害のある解離ならば、なにより適切な環境の確保
★ASDのある解離ならば、特有の症状を和らげる投薬と感覚過敏を生かした身体を使う治療法
HSPならば、ASD同様、感覚過敏を生かした身体を使う治療法、カウンセリング(敏感さと客観性ゆえに「自分が話している内容」から気づくことが多いため)
などかなと個人的には思っている。
私は私自身をHSPの解離と位置付けている。
 
次回以降はさまざまな治療法について、調べたことを少しづつ書いていく。
ただし、私はいずれの解離ならびにその他の病気であっても、不眠、不安、自傷欲求等の症状が強くある場合、それをおさめる投薬は必要というスタンスで、従来からの西洋医療は肯定しており、投薬以外の治療はそれと並行して行うことが望ましいと考えている。
ちなみに私自身は日常で困ることは睡眠障害なため、ひどいときは睡眠薬を処方してもらっている。
 
*前回と今回の記事は以下の書籍やサイトを読んだ上で、知識を集め、それぞれの表現の微妙な差異や違和感を私なりに再検証し、まとめたものとなります。
私はこれが必ずしも正しいとは言いきれないと考えているので、医学関係者や実際の臨床にあたっている方からの反論や意見があれば、ぜひとも参考にさせて欲しいと考えています。
なにかあればコメントでお願いします。
なお、不安障害や依存症、PTSDの本も多く読みましたが、それは解離との対比として参考にしたため、今回はあくまで解離とHSP知的障害、ASDについて参考にしたものを中心に列記しました。
 
参考図書 ならびに HP
解離性障害」柴山雅俊
「解離の舞台」柴山雅俊
解離性障害のことがよくわかる本」柴山雅俊
「わかりやすい解離性障害入門」岡野憲一郎
ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ。」エレイン・N・アーロン
「敏感すぎて困っている自分の対処法」苑田純子
「カウンセリングセミナー講義テキスト 見立ての基本4型を学ぶ」高橋和巳・野口洋一 (セミナー専用のため、こちらのみ書店購入不可)
自閉症を生きた少女」天咲心良
 

http://kenokano.blogspot.jp 岡野憲一郎さんのブログ

いつも空が見えるから | 子どもの疲労と発達・睡眠(本当に素晴らしくよくまとまったサイト!特徴が掲載されているサイトとしてこちらを載せました)